川内倫子 / 川が私を受け入れてくれた The river embraced me

欧米でも高い評価を受け、国内外に存在感を示す女性写真家、川内倫子。写真の新時代を切り開いてきた川内の、初期代表作から最新作までを振り返る個展が、2016年1月に熊本市現代美術館で開催され、本書は展覧会に合わせて出版された作品集である。熊本市民から思い出のエピソードを集めて、そこから約40箇所を彼女が訪れ撮り下ろした新作《川が私を受け入れてくれた》を一冊にまとめ上げた。誰かの記憶を写真家が撮ることによって、写真家自身の記憶になり、さらには鑑賞する私たちの記憶にもなっていく。川のように流れゆく時間の中で、記憶はゆっくりと私たちを受け止めてくれる。目の前に広がる写真に捉えられた景色によって、私たち個人の記憶の扉をそっと開くような、清々しい写真群にあふれている。
熊本・阿蘇の野焼きを中心に撮影した《あめつち》で新境地を開き、「いまを生きる」感覚を先見的に表現し続けてきた川内の次なる可能性を体感する一冊。


川内倫子 Rinko kawauchi
1972年、滋賀県生まれ。2002年に『うたたね』『花火』で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。著作は他に『AILA』(2004年)、 『the eyes, the ears,』『Cui Cui』(ともに2005年)、『Illuminance』(2011年)、『あめつち』(2013年)などがある。主な個展に「AILA + Cui Cui + the eyes, the ears,」カルティエ財団美術館(2005年・パリ)、「AILA + the eyes, the ears,」ハッセルブラッド・センター(2007年・イエテボリ、スウェーデン)、「Semear」サンパウロ近代美術館(2007年・サンパウロ)、「Cui Cui」ヴァンジ彫刻庭園美術館(2008年・静岡)、「照度 あめつち 影を見る」(2012年・東京都写真美術館)、「Illuminance」(2015年・KUNST HAUS WIEN GmbH、ウィーン)、「川が私を受け入れてくれた」(2016年・熊本市現代美術館)ほか多数。2017年に最新作『Halo』を刊行。

http://www.rinkokawauchi.com

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