川が私を受け入れてくれた The river embraced me / 川内倫子

欧米でも高い評価を受け、国内外に存在感を示す女性写真家、川内倫子。写真の新時代を切り開いてきた川内の、初期代表作から最新作までを振り返る個展が、2016年1月に熊本市現代美術館で開催され、本書は展覧会に合わせて出版された作品集である。熊本市民から思い出のエピソードを集めて、そこから約40箇所を彼女が訪れ撮り下ろした新作《川が私を受け入れてくれた》を一冊にまとめ上げた。誰かの記憶を写真家が撮ることによって、写真家自身の記憶になり、さらには鑑賞する私たちの記憶にもなっていく。川のように流れゆく時間の中で、記憶はゆっくりと私たちを受け止めてくれる。目の前に広がる写真に捉えられた景色によって、私たち個人の記憶の扉をそっと開くような、清々しい写真群にあふれている。
熊本・阿蘇の野焼きを中心に撮影した《あめつち》で新境地を開き、「いまを生きる」感覚を先見的に表現し続けてきた川内の次なる可能性を体感する一冊。
なお、川内倫子展「川が私を受け入れてくれた」は、2016年3月27日(日)まで熊本市現代美術館にて開催されている。

川内倫子 Rinko kawauchi
1972年、滋賀県生まれ。2002年、写真集『うたたね』、『花火』で第27回木村伊兵衛写真賞受賞。2005年、個展「AILA + Cui Cui + the eyes, the ears.」(カルティエ財団美術館、パリ/ガレリア・カルラ・ソッツァーニ、ミラノ(2006))カルティエ財団美術館との共同出版で写真集『Cui Cui』を日仏同時出版(日本語版:フォイル)。2009年、米ICP(International Center of Photography)の第25回インフィニティ・アワード芸術部門受賞。2011年に米Apertureとの共同出版で写真集『Illuminance』(日本版はフォイル刊)を世界5カ国で同時出版。2012年に個展「照度 あめつち 影を見る」(東京都写真美術館、東京)。2013年、米Apertureとの共同出版で写真集『あめつち』(日本語版:青幻舎)を世界3カ国で同時出版。平成24年度(第63回)芸術選奨新人賞受賞。2014年、テリ・ワイフェンバックとの共著写真集『Gift』出版。2015年、イケムラケイコとの共著『きらきら』出版、個展「Illuminance」(クンストハウス・ウィーン、ウィーン)。東京在住。

http://www.rinkokawauchi.com

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